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きららMAX 2015 9月号

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ご注文はうさぎですか?

率直に言って、今回も話がスッと入ってこなかった。 ごちうさの画風はとてもかわいらしく好みだが、読了後に「結局どういう話だっけ」とモヤモヤすることが多い。

現状、自分なりに考える原因の一つとして、一コマごとの情報量が過多、もしくは整理不足に見える部分がある。 例えばp9の右側4コマ目では、背景でキャラ3人が団結(ボケ)している前面で別の二人が暑苦しいとツッコミを入れるが、後ろのキャラもさほどデフォルメされておらず、前面のキャラはそれよりデフォルメされている。これは、どちらがメインの情報でどちらが補助なのか不明瞭になっているように感じられる。 要素を前後に配置した時点で、絵を見た人間は順番を意識することが自然なはずであり、もしどちらも同じ価値の情報ならなぜ横並びやコマでわける等ほかの配置にしなかったのかとモヤモヤする。

ごちうさのスッと入ってこない原因の考察は継続していきます。 感想としてはシャロちゃんのコーデがかわいかったです。あと先月号のほうがストーリーは明確で面白かった。

きんいろモザイク

先月に続いて、シノの内面のうかがい知れない不気味さを感じた回だった。 姉の役割を演じることになり、陽子が引くほど振る舞いを豹変させるシノ。 p19は勇姉の行動を彼女なりにリプレイしているようにも見えるが、p21ではエスカレートして男性口調にも感じられる出所不明の人格を演じる。

シノの人柄や思考の異常さは、きんいろモザイクのメインテーマのひとつかもしれない。同時にアリス不在の禁断症状をはじめ本作品で描かれる「成長」に対する障害としての描写も多々あり、生活環境が変わってしまう卒業後や進学時にどんなかたちで決着がつくのか未だに見当がつかず不安にさせられる。

今エピソードでは綾ちゃんの「恋に恋する乙女」をかなり明確に描いてました。 一部ファンが指摘するアニメ版きんいろモザイク二期での彼女に関する違和感について、原作からの回答として活用できる回だと思うので誰かその辺書いて下さい。

つぼみアレンジメント

今月号から追い始めます。 やけに淡々とした印象を受けたが、余白が多すぎるわけでも文字が少ないわけでもない。何がそう感じさせるのか気になる作品。 現時点では、4コマで起承転結が完結しているセットが11/15(主観)なことが原因で4コマのセット各々が独立して感じられるのではないかと想定している。この方針をコンパクトで読みやすいと感じるか、話の連続性が掴みづらいと感じるか人によって別れると思う。

フタバとカリンのやりとりについて時々現れるp194の左4コマをはじめとした所謂百合妄想がこの作品の趣旨なのか、それとも花言葉のピックアップにみられるような趣味の世界を展開していくのか、まだ本エピソードしか読めていないので全く判断がつかない。

後のほうなら箱庭ひなたぼっこやDear My Sweet Flowersともぜひ比較していきたいと思う。

アリノス☆ワンダーランド

つい最近2巻をもっての完結が公表された本作品。最後のページもナカちゃんによる物語の根幹についての問題提起で終わる。

もしかして もっと私達ならではの

ステキな答えが あるのかな…?

今までもナカちゃんとルリを対応させて描くコマは見られたが、p208で再びルリに「似てるな…」と言わせているのも、終盤のセリフを際立たせているように感じられた。大雑把にくくろうと思えば似ていると言えなくもないが、ルリが相手の期待する自分を演じるタイプなのに対し、ナカちゃんは率直でドライな面もある(1巻で"諜報活動"中に時々嫉妬してるけどね)

お互いに執着しあい関係の持続を必要とするみかルリは、アイデンティティの維持に相手を必要とすることが1章で描かれた。 一方、ナカちゃんはp213のように一人でいるからといって必ずしも不幸ではないし、本人とたかみん間で役割が完全に分かれている。このあたりが最終的な物語の結末に差異をもたらすのではないかと見る。

また、きらら読者のあいだで言われる「2巻の壁」について、この作品にその通説を無条件に適用することにかなり疑問を感じているので、今後ふれたい。

初めだから書きますが、ぼくはナカちゃんのキャラデザが死ぬほど好きです。 黒髪ショート最高。めちゃめちゃかわいい。